一方的に膨大な情報を送りつけるこの行為は、 中国共産党による組織的な活動が特にいま批判されている。
【偽アカウントからの一方的で大量の情報発信】
相手が望んでおらず要求もしていない
情報を一方的に、しかも大量に送信する
「スパム(Spam)」と、
物事の真実を覆い隠す目的で行う行為
(元は軍事用語で、敵から存在を隠すため、
自然環境に溶け込むような
色彩や模様を施すこと)
を表す「カムフラージュ(camouflage)」を
合成させた造語で、
偽アカウントで一般的なアカウントのなかに
身分を隠し、
一方的に発信側にとって有利な情報を
大量発信するプロパガンダ手法を指す。
【中国共産党が絡む情報による破壊行為】
このスパモフラージュで、
最近最も批判を集めたのは、
中国の複数のグループが
大量の偽アカウントを作り、
台湾に中国への降伏を求める
内容のビデオや、
米国が新型コロナウイルスの
起源だとする
偽情報を大量にSNSで
発信した事件だ。
中国共産党主導のプロパガンダ戦略の
一環とみられ、
中国の法執行機関に関係する
個人とも結び付けられた
としているが、
こうした内容を、
別働グループが、
異なるSNSで発信したり、
大量にフォローしたりする
活動によって、
偽情報を拡散させる
アクションを行っていた。
偽アカウントの集団は、
中国のさまざまな地域で活動しており、
その実行リズムをみると、
毎日の仕事のスケジュールを立て
シフトを組んで
オフィスで暗躍していることが
明らかになった。
それは北京時間の昼休みや
休憩時間に行われているのが
分かると分析されている。
発信している言語は、
主に中国語と英語だが、
日本語も含まれていたという。
本事件に関し調査結果を発表した
メタ社によれば、
この中国共産党による
“スパムフラージュ・ネットワーク”は、
ここ数年、中国の政策やその
発言を支持する
肯定的な言説を拡大する一方で、
米国や西側諸国の外交政策、
あるいは中国政府を批判する
者に対して
これを否定する意見を浸透させる
活動を活発化させてきた。
また、当初はフェイスブック、
ユーチューブ、
X（旧ツイッター）など
巨大プラットフォームで
行われていたが、
最近は、電子出版のミディアム、
2chのような投稿型のSNSであるラディット、
知識共有プラットフォームのクオーラ、
クリエイター向け動画共有サイトの
ヴィメオなど、
小規模なプラットフォームも
含める50 以上のプラットフォームや
フォーラムで展開する徹底ぶりで
その活動範囲を拡大していることが
示されていると明らかにしている。
【圧倒的に広範囲なスパム情報侵略】
メタのベン・ニモ氏は、
「今回は失敗に終わったが、
私たちが知る限り
世界最大規模で、
最も広範囲に悪影響を及ぼした」
と語っている。
また単一案件の削除作業としては
過去最大規模の
「7,700以上のFacebookアカウントと
数百件のInstagramアカウントが
処分された」
と発表した。
そのターゲットは、
台湾、米国、オーストラリア、英国に加え、
日本も含まれ、
世界中の中国語圏の
人々が該当する。
ただその影響については、
「利用者のコメントでは、
偽の内容を指摘する傾向があり、
あまり関心を集めていないように
見える」
とも分析している。
これに対し、中国外務省の汪文斌報道官は、
「メタの報告を把握していない」
と嘯いたうえで、
「個人や組織がソーシャルメディアで
反中キャンペーンを展開することは、
よくあることだ」
と切って捨てた。
この事件の当事者である
中国共産党の
世界的規模での誤った
情報操作活動=スパモフラージュ
については
知らん顔を貫くという、
あたかも新型コロナウイルスの
感染源として中国が疑われ際と
同じ態度をとって
壮大な誤魔化しと偽りの
外交行為を正当化している。
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